![]() The Time of the Hero Mario Vargas Llosa (著) 南米を周遊している真っ只中、ペルーに来たら、ペルーの作家の作品を読まなくては、というわけで、ロンプラのお勧めの中からピックアップしてみた。この本はペルーのリマにて購入。 マリオ・ヴァルガス・リョサは、ペルーを代表する現代作家。彼の作品と写真からして、インカ帝国のケチュア族の出身ではなく、バリバリの白人のようです。 この作品の主人公は、ペルーの軍事学校で訓練を受けている思春期の学生たち。思春期といえども、この学生たちは学校の規則を破りまくり、酒は呑むわタバコは吸うわ、博打も盗みもリンチも何だってする。終いには殺人事件まで起きてしまった。腐敗した軍事学校生活を描きながら、腐敗したペルー社会を強く風刺しているこの作品は、発表当時に大きな波紋を呼んだらしい。あまりにも露骨な社会風刺に怒ったペルー政府が、民衆の面前で数千冊のこの本を焼き払ったという。 インディアンの生活が色濃く残るアンデス山脈の高地とは対照的に、太平洋に面したペルーの首都リマは、ビルが立ち並ぶ都会。リマの中でも一等地のミラフロレス地区には、高級なデパートやレストランが立ち並んでいる。 リマでの滞在中、私はがらにもなく、ミラフロレスの真ん中にある公園に面したホテルに宿を取っていた。宿の窓からは、朝から晩まで毎日、華やかな社交生活が垣間見れた。 公園の周りに並べられたカフェのテーブルで、10ドルもするブランチを摂っているマダムたちや、血統書付きの犬を散歩させている老人たち。カトリックの教会では、豪華なドレスに身を包んだ上流階級とおぼしきご婦人たちが結婚式に参列していた。教会の駐車場は高級車でいっぱいだった。 これらの風景はヨーロッパではごく当たり前なのだが、つい前日まで、アンデス高地の極貧なインディアンたちの生活を見てきた私にとっては、同じペルー人なのにあまりにもかけ離れた生活を送っていたので印象に残っている。 本の中では、実在するストリートの名前から、各地域の人間気質まで、リマの生活風景が事細かく描写されている。私の滞在していたミラフロレスも、本の中に何回も登場していた。本に書かれてあるリマの町並みを、実際に歩いて確認したかったのだが、この本を買ったのがリマで、読み始めたのがコロンビアだったので、ちょっと手遅れだった。 ある地域について愛着をもって書かれた本を読みながら、実際にその地域を旅行してると、単なる旅行者としての視点から離れてその場所を見ることができ、旅の楽しさが倍増します。 都会と犬ども マリオ バルガス・リョサ (著) 日本語訳
【2005/08/14 07:53】
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![]() Veronika Decides to Die Paulo Coelho (著) ブラジルを代表する現代作家、パウロ・コエーリョの作品。ロンプラのシューストリング南米版でもオススメになっていた。パナマシティのユースホステル、Voyagerで見つけた本。 裏表紙の文句はこんな感じだった。「24歳のヴェロニカは、若く美しく、ボーイフレンドにも不自由せず、家族からは愛され、充実した仕事にも恵まれていた。しかし、ある冬の朝、彼女は自殺をすることに決めた。睡眠薬自殺を決行したが、持ちこたえてしまい、精神病院で目覚めてしまった彼女は、あと数日の命だと告げられる。」 前に読んだ、Eleven Minutesに続いて、やっぱりがっかりさせられる、チープな女性向の本だった。。。(別に私は女性を差別しているわけではなく、作者が明らかに、読者対象を女性でかつチープな人間に絞っていることがわかるからこう書いているのです。) まず、ヴェロニカの恵まれた生活というものが私にはぜんぜん恵まれているようには見えない。 若く美しい → 若かったら誰だって美しい。 ボーイフレンド → クラブで出会った男ばかりで、さっさと用事を済ませた後は話すこともない男がたくさんいることは、惨めなことで、幸せなことではない。 家族 → 人生経験の少なさから、平凡な価値観を押し付ける親をもつことは、特に秀でて幸せな環境でもない。 充実した仕事 → 充実しているようには見えない。 彼女には親友と呼べる友達もいないようだ。 こんな人生、ぜんぜん幸せとは呼べないじゃん? しかし彼女は、現在が人生で得られる幸せの最高地点だと納得している。あとは下降するだけだから自殺しようってことだ。 私から見たら、とても惨めに見える彼女の人生だが、彼女も、きっとこの本の読者の多くも、「こういう人生が幸せな人生」と感じてしまうらしい。「そんなんじゃだめだ!人生もっと楽しいことあるぞ!」といいたくなる。 そして何よりも私が不自然に感じたのは、残りわずかな余命を告げられた彼女のことを、周りの人は、「彼女、死ぬんだわ」と扱うことだった。私は「でも、あなた達も、誰でも生きてる人は死ぬんですよ!」といいたくなる。しかし登場人物の全員が、あたかも自分は死なない人のような考え方をするのには、抵抗があった。 死と真正面から向き合うことの無いキリスト教文化圏の人たちには新鮮な内容かもしれないが、仏教国出身の私には、不抜けた内容だった。 ![]() ベロニカは死ぬことにした パウロ・コエーリョ (著) 日本語版 日本語訳は、訳が不自然とあまり評判がよろしくないようですが、英語訳の方は、不自然さは感じさせず、読み易かったです。224ページとかなり薄いので、さらりと読めます。英語で本を読むのは。。。と躊躇しているひとでも、この本の英語版なら気軽にトライできると思います。
【2005/07/13 07:54】
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![]() The Da Vinci Code Dan Brown (著) 米国だけでなく世界中で、とにかく誰もが読んでいた本なので試してみた。 アルゼンチンはブエノスアイレスの大きな本屋さんで買いました。というか、一緒に旅行してた友達が本を返品したら、返金はできないけど、交換はできる、と言われたので、とにかく何でもいいから、と急いで選んだ本でした。 さすが、売れるように書かれた本だけあって、読み出すと止まらない。いったん本を開くと、寝れないし、どこにも行けない。あっという間に読破してしまった。 キリスト教の知識がないと楽しめない内容です。私はキリスト教の知識はあるけど、キリスト教を信じていないので興奮はしなかった。話はそれますが、海外に行く人や国際人を目指す人は、是非、宗教の勉強して下さい。宗教の知識は外国人の心理を知る上で重要です。宗教は信じなくてもいいけど、知識として知っていれば、とても役立ちますよ。 事件はパリ、ニューヨーク、ロンドンと、世界を舞台に書かれているが、著者がアメリカ人なので、アメリカが全ての基準になっていて、げんなりさせられた。例えば、パリのシャンゼリゼの華やかさを説明する為に、ニューヨークの5番街が引き合いに出している。 文章表現も、現代アメリカ的で、全てが明快な文章で表されていて、「行間を読む (Read between the lines)」といった推測作業は要らない。だから英語でもずいぶん読み易いので、英語で読書を始めたい方にはオススメです。 ![]() ![]() ダ・ヴィンチ・コード (上) ダ・ヴィンチ・コード (下) ダン・ブラウン 著 日本語版
【2005/07/07 15:17】
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![]() To Kill a Mockingbird - Harper Lee (著) この本はチリで手に入れて、ブラジルで読み始めて、パナマで読み終えた。 1930年代のアメリカ南部の小さな町が舞台の、人種・社会差別を題材にした小説。子供の目を通して、大人社会の理不尽な差別を描いた、ピュリッツアー賞受賞作品。 総売上3百万冊以上のベストセラーで、映画化もされている。英語を話す人なら誰でも知っている一冊だ。アメリカでは学校教材にも使われている。 その割には、アメリカの人種差別の状況は、まだまだひどい。この何十年かでだいぶ改善されたとはいえ、人種間の不信感や格差、隔離は今もなお根強く受け継がれている。 アメリカの人種差別はひどいけど、アメリカの外はもっとひどい。 いろんな国を旅行してきて、いろんな国の人から、肌が黄色いことで差別・軽蔑されてきた。 だから、世界的にみて、アメリカの有色人の人権保護は、「まし」な部類に入る。アメリカがましな国に分類されるなんて、世界の人種差別はすさまじくひどい、ということだ。 日本語版 アラバマ物語 ハーパー・リー (著)
【2005/06/30 17:25】
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![]() Eleven Minutes Paulo Coelho (著) ブラジルを代表する現代作家、パウロ・コエーリョの最近の作品。 チリの首都、サンチアゴのブックエクスチェンジでみつけた一冊。チリから北上してゆくゆくはブラジルまで行くつもりだったので興味をもった。 前書きと書き出しが面白かったので購入したが、本の半ばから、単なる女性向けの安物の官能小説じゃないか、と失望した。 ブラジルの片田舎の女の子がスイスの高級売春婦に転身し、苦境の中でも前向きに生きていく、といった筋書きになっている。 作者は、彼女の希有な人生を通して、セックスの神聖化を試みたようだが、見事に失敗している。 「軽い」女性が、自己嫌悪や自己の立場の不安感に陥らないよう、自己正当・自己防衛の為に役立てようとした本ではないかと思う。 ブラジルに行ってみて、比較的簡単に男女関係に展開するブラジルの国民性は、あながちステレオタイプではないと感じた。きっとブラジルにはこのような本の需要が強かったのだろう。 ![]() 11分間 パウロ・コエーリョ (著) 日本語版
【2005/06/28 07:11】
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